「短鎖脂肪酸」で太りにくい体に 腸活で注目 ビフィズス菌×〝エサ〟摂取

年々食が細くなっていくのに、体は太くなっていく。中高年女性を襲うこの不条理!

まさに筆者のことだが、基礎代謝の低下が原因の場合が多いそうだ。では、どうすればいいのか?

今注目されているのが、腸内細菌の代謝物「短鎖脂肪酸」の活性だ。血流に乗って基礎代謝を高め太りにくい体を作ることなどが、近年の研究で明らかになっている。難解な文字面であまり浸透してこなかったが、大手食品会社が「タンサ」として啓発・PRに乗り出している。

■免疫機能やメンタルにも有用 美腸活カフェ&グローサリー「エルフォーユー青山」(東京都港区)に、5月16日までの期間限定で登場したオートミールパンケーキプレート(1760円)は、短鎖脂肪酸の代謝を促す「タンサ活レシピ」で作られている。「ポイントは、ビフィズス菌入りヨーグルト100グラム×水溶性食物繊維2グラムの配合。菌とその〝エサ〟を十分にとることを、毎日の食事で続けてみてください」と、レシピを監修した管理栄養士の柴田真希さん。

ヨーグルトドレッシングのアボカド入りサラダに水溶性食物繊維が豊富なオートミールのパンケーキ、生ハムや卵でタンパク質も取れるのだが、葉物野菜の量が多くて完食前におなかいっぱいになってしまった。

「不溶性食物繊維の多い葉物野菜を水溶性食物繊維の多いアボカド、クルミや大麦などに置き換えていただけば、かさが減っても同様の効果が期待できる。元から水溶性食物繊維が配合されているヨーグルトを活用してもよい」と柴田さん。市販のヨーグルトには「乳酸菌のみ」と「乳酸菌+ビフィズス菌」のタイプがあるが、短鎖脂肪酸を生み出すのは主にビフィズス菌であるため、後者を選択してほしいとも。 この企画は、独自のビフィズス菌「BifiX」を商品化する江崎グリコが進める「タンサ脂肪酸プロジェクト」の一環だ。「短鎖」を「タンサ」とカナ表現。4月から人気女優の綾瀬はるかをイメージキャラクターに起用した。 短鎖脂肪酸とは構造式で脂肪酸をつなぐ炭素が6個以下の物質で、「酢酸」「プロピオン酸」「酪酸」が代表的だ。近年研究が進み、関連する学術論文の件数は昨年、過去最高の年間2500件を突破した。基礎代謝アップ、体脂肪低減などの抗肥満作用をはじめ、免疫機能やストレスに対しても有用であることなどが明らかになっている。 同プロジェクトに協力する慶応大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任教授の研究によると、短鎖脂肪酸を産生する腸内細菌には持久力を高める作用もあることが、青山学院大学の長距離ランナーの腸内細菌叢(そう)調査で判明している。

◇ 留意すべきは「痩せている=健康」とは限らないことである。 東京大学医学部付属病院の小児科医で公衆衛生に詳しい赤坂ファミリークリニックの伊藤明子(みつこ)院長は「痩せ過ぎも不健康な状態」と指摘する。「日本の女性は世界各国と比較しても突出して痩せ過ぎが多い。食べもののバランスが偏っているために腸内環境が悪く、食べるかさが少ないことで便秘も深刻。このため腸から毒素が体内に吸収されてしまい、ニキビや肌荒れ、精神のゆらぎなどを引き起こしている」 腸内の状態は体形だけでなく、神経系と連動する「腸脳相関」で認知機能やメンタル、皮膚と連動する「腸皮膚相関」で美容にも大きく影響している。「痩せていることに価値をおく風潮があるが、BMI(体重キロ÷身長メートルの2乗で算出される体格指数)で20~24台をキープしてほしい」 例えば身長1・6メートルの場合、体重47キロはBMI18・4で「低体重」。逆に60キロの〝大台〟に乗ったとしても「普通体重」内に留まり、BMI25以上の「肥満」は64キロからだ。多くの女性が求める美容体重と健康体重には開きがある。 肥満でない程度のふっくら加減であれば個性や加齢の摂理として受け入れた方が、楽に生きられる!?(産経新聞引用)

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